顔 1
この作品は、某サイトに投稿したものですが、なんだか消されてしまったようなので、少々手直してして掲載しているものです。どこかでご覧になられた方にはご迷惑をおかけします。
ラジオ無線部の部室に入ってすぐに様子がおかしいと感じた。
以前は、無かった大きなロッカーが、入ってすぐの位置に移動していて、外から中が見通せないレイアウトになっている。そして大勢の人の気配と、シャンプーだの香水だの甘い女のにおいだ。
僕は嫌な予感がした。
「つれて来たよ」僕を無理やりひっぱってきた榎本が言った。
僕が、ロッカーの向こう、部屋の中に入ると、女の悲鳴と、拍手が同時に起こった。
拍手をしているのは、部屋の思い思いの位置に陣取った7〜8人の女たち。悲鳴は、その中心で裸にされている女だった。
「遅かったじゃん」聞き覚えのある声は、僕の家の隣にすむ女、富樫だ。二つ上の三年生。
「…。え? 何やってんの?」
僕はあぜんとしながらも、裸にされた女から目が離せないでいた。すぐに、かっと頭が熱くなって、股間に血が集まって行くのがわかる。
裸の女は、白い背中と丸い尻をこちらにむけて、うずくまっている。長い髪で、顔が見えない。
「んー。いじめー」富樫はあっけらかんというと、周りの連中が笑った。
「なんかせっかく裸にむいたし、まーくんにも見てもらおうかなってさ」
「まーくんって呼ばれてるんだ」榎本が僕の顔を覗き込んで笑った。
ぁぁうん、と、僕が半端な生返事すると、女達が笑った。
「まーくん、かわいいー」「ガン見?」「立ってんじゃねー?」「裸みるの初めて?」等々、好き勝手なことを言う。
僕は腹を立てて、少しいらいら声を出した「で、なんなの? いじめたいなら、勝手にすれば?」
「怒るなよー。それがさー。手を貸してほしくてさー」富樫が甘ったるい声を出す。
富樫がこういう声を出す時はろくな事が無い。
「なんか、この女、生意気なわけよ。いろいろやったけど、なんかこう、足りないのよね。一応、泣いたりするんだけどさ」
「嘘泣きっぽい?」別の女が言って、またみんな笑った。
「一通りやっちゃったから、後は便所にしようかなーって、思ってさ。ほら肉便器ってやつ? なんか楽しそうじゃね?」富樫は、僕の顔を覗き込んだ。
やばい。断ると、いろいろ面倒そうだ。というか、僕の股間はすでに期待で熱くいきりたってる。
「ほらほら、顔ばれちゃうよ」
別の女が、裸の女の頭に、がさがさと何かかぶせた。
「あ、どう? それ似合う?」富樫の声がはずんだ。
「まあ、普通?」
「見えないじゃん? こっち向きなよ」また別の女が、裸の女の腕を引っ張って、引き起こした。女達から失笑が漏れた。裸の女の頭には、大きな紙袋がすっぽりとかぶせられて、顔を隠されていた。
紙袋には、大きくマジックで、『便所』と書いてあった。
「それがねえ。顔ばれちゃいやなんだって!」榎本が僕に説明してくれる。「便所になるのにもステップがあるんだってさぁ!」
「優しくねぇ? 優しくね?」
「こいつ、顔だけばらさなければ、なんでもやるって言ったし」富樫は、にやにや笑いながら、紙袋の女のふとももに足をのせた。「ね?、約束だよね」体重がかかって、ふとももが歪んだ。
「は、はい」紙袋の女は、とてもか細い声で返事をした。
「ほら、たてよ」榎本が紙袋の女をつまさきでつつく。
紙袋の女は、のろのろと立ち上がった。僕から、裸体を隠したいのか、恥ずかしげに中途半端な位置で腕を交差していたが、すぐに富樫が乱暴に、腕を払った。
「ほら、隠すなよ。真っすぐ立て。バカ」
「どう、まーくん?」榎本が意地悪な目で僕を見た。
僕は紙袋の女から、目が離せないでいた。白い痩せた裸体に、小さなおっぱい。陰毛は、長い割に薄くて、直立してる。そして、体には、新旧、色とりどりの痣だらけだった。紙袋からはみ出た長い髪の毛だけが、やけに奇麗だ。
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